大手メーカーなら働きやすいという嘘と真
某大手メーカーで働いていますヤスです。
今回は、友人や知人から聞いたメーカーの実態について話したいと思います。
話を聞く所、どうやら大手メーカーだからと言って働く環境が良いわけではなさそうです。
ここでは、人間関係以外の働く環境に焦点を当てたいと思います。
ついでに+αの情報があれば載せていきます。
オムロン株式会社
ここは働く環境が整っていて、とても働きやすいとのことです。
残業もしっかりと管理されていて、サービス残業はもちろんありませんし、月の残業も40時間程度とのこと。
福利厚生も整っていて、産休も取りやすいみたいですね。
かなり従業員に優しい企業なのは間違いないです。
しかし、その好待遇を利用して、社員の中には全く働かない人がいるみたいです。
こういう社員は、会社も解雇したいでしょうけど、日本の正社員の権利が強いため、中々解雇できないようです。
また、オムロンは、仕事をかなり分業していて、一人一人の作業量を減らし、オーバーワークにならないように気をつけているとのこと。
しかし、分業化のせいでそれしか出来ない社員が増え、顧客の要求に対応する際に一人では何もできない社員ばかりになってしまっていることが問題のようです。
現在は、教育制度の改革と、一人で対応出来る社員を中途採用で補ってどうにかしているようです。
大企業には大企業なりの悩みがあるんですね…
[2018年8月5日 追記]
オムロン某社員の方からコメントを頂きました。
私の記事の内容は、実際にオムロンで働いている友人から聞いたことなので間違いないですが、コメントでは違う意見も書かれています。
オムロンは大企業なので、部署によってはまた違う見解があるかもしれません。
「サービス残業がない」という箇所は削除しました。
株式会社ディスコ
業界の人ではないと知らないと思いますが、ディスコという会社は、日本を代表する半導体製造装置メーカーの一つです。
株式評価で言うと、東京エレクトロンと肩を並べるレベルです。
この企業の凄い点は、従業員一人一人を個人事業主のような働かせ方をしているということです。
ディスコには、Willと呼ばれる社内通貨があり、社内ではWillをやり取りして仕事の受発注を行います。
例えば、上司が部下にコピーをお願いしたとしたら、そのコピーの仕事は何Willで引き受けますと言った感じでやり取りされるようです。
また、仕事も自分で選べることができ、仕事内容ととその仕事を受注した際に発生するWillが書かれた掲示板が有り、そこから自分がやりたい仕事を見つけるというシステムみたいです。
このWillというのが個人の評価となり、ボーナスに反映されるようです。
社員の中には、多くのWillを稼ぐ人もいれば、赤字になってしまう人もいるとのこと。
また、部署の異動も多発しており、自分がIT部門で働きたいと思ったら、そのIT部門の部長と自分で話をつければ、自分の部署の上司も人事もそれを止めることはできないらしいです。
こういう自由な社風なため、合わない人にはとことん合わないですし、一癖ある社員が多いようです。
実際に私がこの話を聞いた方は、上司と喧嘩して退職していました。
しかし、成果に対しての報酬がかなり良いみたいですし、自分次第ではかなりスキルがつく環境だと思います。
三菱電機株式会社
大抵の方が知っている大手電機メーカーです。
部門にも依りますが、ここはかなりの体育会系の会社のようです。
私が大学時代にお世話になった教授が三菱電機出身で、その教授の研究室も体育会系のやり方でした(笑)
私が話を聞いた方(Mさん)は、転職初日に何の説明もなしにいきなり業務をさせられ、周りの方も忙しいのであまり教えてもらえない状況で働いていたとのこと(やって覚えろというのが体育会系っぽい?)。
問題なのが、残業が多いということみたいです。
Mさんの話では、月150~200時間の残業が当たり前の状況で、しまいには隣の席の同僚が過労死してしまったとのこと。
これが問題にならないのが三菱電機で、当時は過労死扱いにしなかったみたいです。
三菱電機は財閥系メーカーなので、三菱が法律で国の法律なんて関係ないくらいの態度で仕事をしていると感じていたとMさんが言っていました。
最初に部署に依ると書きましたが、特に酷い部署が組み込み系と国防系のようです。
国防系は、元三菱電機の教授が認めるくらいの多忙みたいです。
しかし、金払いが抜群に良いみたいで、Mさんの場合、三菱電機に勤めていたときが一番年収が高かったと言っていました。
お金をとるか、時間をとるか…お金を稼ぎたい人には良い場所かもしれません。
京セラ株式会社
ここも三菱電機と方を並べる大手メーカーです。
JALを再建した稲盛和夫さんが創業した企業で有名ですね。
この会社も大きいだけあって、業界の方でなくてもよく知られています。
しかし、ここも結構な体育会系企業です。
聞くところによると、新卒採用では、運動系の部活またはクラブなどでスポーツをしていたことが重視されるようです(理由は不明、根性があるから?)。
また、社内では運動会が定期的に開催され、全社員が強制参加、若手社員はダンスなどを披露しないといけないみたいです。
しかも、ダンスは終業後に無給で練習しているようです。(私からしたら、これも仕事に含まれると思いますが…)
結構実際の業務と関係のない行事が多いようで、それでプライベートの時間が削られるのが嫌だと友人が言っていました。
業務での残業については、部署に依ってまちまちで、多いところは月100時間近くの残業時間のようです。
業務以外での残業は嫌ですね。
会社の行事が好きな人には、合っている会社かもしれません。
株式会社ブリジストン
ここは、タイヤと鳩山元首相で有名ですよね(笑)。
ここで働いていた派遣さんから聞いた話です。
まず、新卒入社組ですが、入社してから一年後に役員レベルの人たちの前でプレゼンテーションをするというイベントがあるそうです。
そのイベントのために一年掛けてプレゼンテーションの準備をするのですが、その間にも係長、課長、部長と順番に何度もプレゼンをして、その度に強い駄目だしを受けるので、プレゼンが苦手な人はそこで精神的に潰れてしまうようです。
そのイベントをクリアした人も、その後に辞めてしまうということもあるようです。
また、中途入社組も業務が分からない状態でガンガン働かされるようで、入っても長く続かないということが多いとのこと。
ただ、ここの役職付きの方々は、かなり高い年収をもらっているようなので、挫けないで成長していければ高年収を得られる点は良いかもしれません。
株式会社キーエンス
メーカーで働く人なら誰でも知っているはずの企業がキーエンスです。
この会社の営業が凄いのが、キーエンスのカタログを見ようとキーエンスのウェブサイトで会員登録を行うと、すぐに電話が掛かってきて、
「○○のカタログをダウンロードしましたが、こちらの製品がご入り用でしょうか?」
「御社に合う新商品があるのですが、今から伺ってよろしいでしょうか?」
と怒濤の営業ラッシュを始めるところです。
聞いたところによると、一日の厳しい営業ノルマがあるようで、みんな必死に営業を掛けているようです。
私の友人の場合、転職後に転職先を伝えてないのにキーエンスから転職後の企業に電話が掛かってきたそうです。
友人は、「まるでストーカーだな…」と引いていました(笑)。
キーエンスもディスコと同様に変わった社内制度と高い成果目標があるようで、それの達成のために労働時間も長いようです。
しかし、ご存じの通り、年収は抜群に良いです。
メーカーでこの年収が得られる企業は、キーエンス以外にないと思います。
キーエンスについて良く言われるのが、「20代で家が建ち、30代で墓が立つ」ということです。
それほど激務だということですね。
まったり働きたい人には絶対に向かない企業です。
外資系メーカーの日本法人
外資系メーカーと言っても色々あると思いますが、ここはまとめて書きたいと思います。
というのも、外資系メーカーの日本法人の殆どの企業に当てはまる問題があるからです。
外資系メーカーでは、設計・開発の殆どが本社で行われるため、日本法人は保守・運用がメインということが多いです。
そのため、エンジニアが外資系メーカーに入っても、技術が付きづらく、やりがいも感じないのではないかと思います。
私の友人が外資系メーカーの中途採用面接を受けたことがあり、その時に同席していた企業の技術部長と技術について話していたが、その友人の話にまるで付いていけていなかったようです。
技術部長が自社の技術の話に付いていけないというのは、エンジニアとしてはちょっと恥ずかしいですね。
ただ、転職エージェントの話では、働きやすさは抜群に良いようです。
エンジニアとして技術を付けて大成したいのであれば、初めは外資系メーカーを選ぶのは止めた方が賢明でしょう。
会社の善し悪しは入ってみないとわからない
ここまで各企業の環境を書いてきましたが、どの企業も話を聞いただけの内容で、私が働いた経験ではないため、結局は実際に働いてみないと分からないと思います。
また、どんなに厳しい環境でも良いから技術をつけたい、お金が欲しいという人と、技術が付きづらかったり給料が少なくても、まったりと働きたいという人では、求める企業が全く違います。
私は、技術がついて、お金がもらえて、まったり働ける会社が良いです(笑)。