現在は電気設計をしているヤスです。
たまに違う業界の面接を受けていると聞かれることがあります。
それは「電気設計と制御設計って何が違うの?」ということです。
私は、これまでに電気系の設計職としてプレス機と半導体製造装置の設計に携わりました。
履歴書には、プレス機は制御設計、半導体製造装置は電気設計と書いています。
そのため、面接で上記のような質問が出るわけです。
では、私がこの二つをどう使い分けているか説明します。
電気設計、制御設計の区分け
電気設計と制御設計の両方が存在する業界は、おそらく自動車や産業機械、ロボット業界になるでしょう。
これらの業界で電気設計と制御設計をどう区分けされているかというと、明確な違いはないと思われます。
ある会社では、制御設計を含めた意味で電気設計を使っていますし、また別の会社では電気設計を含めた意味で制御設計を使っています。
これら二つの職種は、意味が近からず遠からずといったところです。
これらを具体的に定義するのは難しいですが、私が業界にいて、周りの人達がこれらの言葉を使っているのを聞いて、多くの人がこう定義しているだろうと感じたことを説明します。
電気設計とは
電気設計とは、主に電気回路の設計、配線や制御盤の設計、機械に取り付くセンサーやモーターなどの電装品の選定などのハードウェア寄りの設計をしている人を指しています。
また、電子回路や低電圧回路の弱電ではなく、AC200V以上の強電の設計を指す場合が多いです。
弱電の場合は、アナログ回路・デジタル回路設計、電子回路設計などが使われます。
他に、プラントなどの大規模な電気設計になると、計装設計という言葉が使われます。
一般的に計装とは、圧力計や温度計などの計測機器を機械に装備させることを指します。
最近のお風呂は温度管理をしていることから、これも計装と呼びます。
しかし、本来の意味はそうであっても、実際に使われるのはプラントなどの規模が大きいものに計測機器を装備させ、プラントの制御をすることを指すのに使われます。
制御設計とは
制御設計は、PLCやPC、マイコンなどのプログラムを作成し、機械を制御する人を指しています。
こちらの場合、電気設計の仕事を含める場合が多いです。
大企業の場合、分業が進んでいるのでプログラミングだけになるかもしれませんが、中小企業の場合、電気回路の設計などのハードウェア設計からプログラミングまでを一貫して担当することが多いです。
その時に制御設計という言葉が使われます。
そのため、求人で制御設計と書かれている場合は、面接で仕事の担当範囲を明確にしておいた方が良いです。
プログラミングはやりたいけど、回路設計は嫌だなーと思っているのに、入社したら回路設計まで一貫してやることになってしまうかもしれないので。
また、制御設計の中でもPLCを使った制御をシーケンス制御と呼びます。
というより、制御設計と呼ばれる職種の多くがPLCによる制御になります。
PC制御を指すことは稀だと思います。
PC制御になると、プログラマやソフトウェアエンジニアなどの言葉が使われます。
使う人による
電気設計と制御設計という言葉は、使う人によって意味が変わってきます。
雑談程度なら曖昧な意味で通しても問題ありませんが、面接などの場面でしっかりと言葉を定義しないと誤った仕事に就く可能性があります。
そのため、相手の様子を伺い、意味を推測するか、言葉の意味を確認することをお勧めします。