英語力のあるエンジニアを目指しているヤスです。
仕事で英語力がないことで困ることがよくあります。
例えば、自分が設計した装置の組立て後に、海外顧客が出来映えを確認しに来る時があります。
その時にエンジニアの私も立ち会うのですが、顧客に装置について説明したり、顧客からの質問に答える必要があります。
もちろん、海外顧客なので英語で説明します。
その時に、いつも上手く伝えられずに歯がゆい思いをしています。
一昔前は、こういう場面で通訳か営業が一緒にいて、代わりに顧客と話してくれたのでしょうが、昨今ではエンジニアが直接顧客と話すことが多くなってきています。
そのため、エンジニアには英語力が強く求められます。
しかし、未だに多くのエンジニアが英語が話せない現状があります。
私の同僚の中には、「AIの進化で翻訳の精度が上がってきているから、英語なんて出来なくても大丈夫でしょ?」と言う方がいます。
実際に翻訳の精度が上がってきていますが、本当に英語を話せなくても問題ない未来が待っているのでしょうか?
その疑問にホリエモンこと堀江貴文氏は、この本でその疑問に答えてくれています。
本書では、AIが進歩した現在でも英語を話すことが重要なこと、英語が話せることによるメリットについて刻々と語っています。
本書には、堀江氏以外に英語を身につけていることで成功した6人の方のインタビューが掲載されています。
英語を身につけることで何が変わったのか、英語が出来る人と出来ない人の違いは何か、どうやって英語を身につけるか、を本書で理解出来ます。
自動翻訳機があっても英語は必要
AIの進化により、英語翻訳機の精度が劇的に上がりました。
昨今では、携帯できる自動翻訳機も登場しています。
そんな時代に英語を学習するメリットがあるのでしょうか?
その問いに堀江氏は、自動翻訳にはタイムラグとあやふやな言葉を使えないという問題があると述べています。
タイムラグが発生する理由としては、日本語と英語の文法の違いがあります。
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- 日本語:主語-目的語-動詞
- 英語:主語-動詞-目的語
この文法の違いにより、日本語から英語に変換するには、末尾にある動詞まで全て聞く必要があります。
動詞まで聞いてから翻訳するため、そこでタイムラグが生じます。
もう一つは、あやふやな言葉を使えないと言う点です。
「今日ご飯いかない?」
という台詞を翻訳しようとすると、このご飯のニュアンスを機械は分からないため、単純にrice(白米のご飯)と変換してしまうこともあると思います。
まだまだ機械翻訳にも問題があり、これからも英語は必要とされるスキルだと述べています。
レア人材になれる
堀江氏は、グローバルに行動する人を「G人材」、地元に根付く人を「L人材」と呼んでいます。
G人材は、住む地域を限定せず、多様性を持ち、フットワークが軽く、適応力が高いことが特徴です。
L人材は、地元を大事にし、排他的で、フットワークが重く、変化を嫌うことが特徴です。
そして、世界の9割はL人材で閉められていると堀江氏は述べています。
基本的に英語を学ぼうとしている人は、G人材に分類される人です。
多くの企業は、昔からグローバル化を叫んでおり、英語が出来て、多様性を持つG人材を求めています。
それにも関わらず、G人材は1割しかいなく、とても希少性が高いのが現状です。
そのため、英語を学び、G人材になることで、レアな人材になれるでしょう。
6人の英語話者の経験談
本書では、英語を身につけたことで様々な恩恵を受けた6人の英語話者のインタビューが載っています。
その6人の方は、それぞれどんな恩恵を受けたのでしょうか?
村上憲朗:元グーグル日本法人名誉会長
村上氏が英語を勉強し始めたきっかけは、転職した米国系コンピュータ会社で英語が出来ないことでいじめにあったことです。
英語を身につける必要性を感じた村上氏は、そこから1日3時間の英語学習を3年間続けたことで英語を身につけました(合計3,300時間程度)。
その後、米国本社での勤務を経験し、さらに英語を上達させた。
そして、英語を使えるメリットを最大限に活かすために、日本に帰国し、日本で働くことを決意。
複数の会社で社長を務めた後、Googleからアプローチを受け、Googleに入社。
Googleからアプローチを受けた理由をコンピュータの知識があり、マネジメントができ、かつ英語ができたからだと分析している。
村上氏も3つの得意分野を持っていたことにより、レアな人材になっていることが分かります。
村上氏が英語学習を始めたのは、31歳のときでした。
そこから英語を身につけた苦労から、その時の勉強法を一冊の本にまとめ、出版しています。
村上式シンプル英語勉強法 使える英語を、本気で身につける (日経ビジネス人文庫)
坪谷ニュウエル郁子:東京インターナショナルスクール代表取締役
坪谷氏は、19歳の時にアメリカの大学に留学し、ネイティブの英語での授業に付いていけないという苦い経験をしました。
留学時は、寝る時間を惜しんで英語の勉強をしたという。
その時の経験から、現在は子供達に英語を教える学校を経営しています。
坪谷氏は、多くの日本人が英語を習得できない理由を英語に接する時間が少ないからだと述べています。
米国国務省の調査で、アメリカ人が習得するのに最も時間が掛かる言語が日本語、中国語、朝鮮語、アラビア語で、習得には2,400~2,760時間がかかることが分かりました。
これを日本人に置き換えると、英語を習得するためには、2,760時間が必要だということです。
そして、日本人が高校卒業までに英語を学習する時間は、学校の授業時間だけで800時間です。
自分で英語を勉強していなかったとしたら、800時間しか英語の勉強をしていないことになります。
2,760時間には到底及びません。
2,760時間の学習時間を持つには、学校の授業に加えて、あと1,760時間の自習が必要になると言うことです。
坪谷氏は、言語の習得は、学習時間に依存すると述べています。
結局、どれだけ学習に時間を費やせるかが決め手になるようです。
藤岡頼光:セブ島の英会話学校「QQ English」経営者
元々はバイク便を経営していた藤岡氏。
英語学習は、40歳というかなり遅い時期に勉強し始めたそうです。
きっかけは、90年間続く老舗企業オーナーと趣味のバイクの話をしたいという理由でした。
その時に学習場所として選んだのがセブ島でした。
セブ島の英語留学は、欧米留学の半額、マンツーマンレッスンという特徴があります。
セブ島で英語を身につけた藤岡氏は、英語を使ってビジネスをする時のワクワクやハラハラを楽しむようになり、語学を学ぶ素晴らしさに気がつきました。
その経験からセブ島に英会話学校を開き、多くの日本人に英語を身につける素晴らしさを教えています。
三木裕明:映画兼ゲームプロデューサー
三木氏が英語学習を始めたきっかけは、香港人と一緒に映画製作を始めたときに、相手との会話を通訳を介してでしか出来ないことで悔しくおもったことと、娘の塾の待ち時間(3時間)が暇だったので、塾の近くの英会話学校に通い始めたことでした。
三木氏は、英語を学ばないデメリットについて述べています。
映画プロデューサーをしている三木氏の視点では、日本の映画の低予算の理由を英語と絡めて説明しています。
日本の映画は、自国である日本をターゲットにしているのに対して、海外の映画は自国だけでなく、世界中をターゲットにしているため、市場規模に大きな差があります。
日本の場合、日本のみをターゲットにしても、ある程度の市場規模があるため、映画が成り立ってきました。
映画だけでなく、テレビや音楽も同様です。
三木氏は、英語を学ぶことで、この内向きな考えを外向きに変えられ、思考が広がり、フェアな視点でものを見れるようになったと述べています。
竹林朋毅:ケイト・スペードジャパン取締役副社長
竹林氏は、小学校6年生の頃にアメリカの現地校に通い始め、そこから英語を学習するようになりました。
大学卒業後は、英語が出来ることからTOEICの講師になりましたが、日本人に英語を教える能力がなく、講師をクビに。
その後、英語と日本語ができるというだけで、世界4大会計事務所のPwCに入社でき、そこで会計士の経験を積んでいきました。
英語が出来たことでキャリアが広がったと竹林氏は述べています。
イムラン・スィディキ:ブルーフレイム代表取締役
英会話スクールを経営するイムラン氏。
イムラン氏は多動的で、その時のトレンドになっているものにいち早く飛びつき、ビジネスとして成功を収めてきました。
トレンドにいち早く飛びつけたのも、英語で海外の情報をインプットすることが可能だったからだとイムラン氏は述べています。
また、イムラン氏は、英語学習が上手くいかない人の特徴として、学習の継続が出来ていないことを指摘しています。
英語学習は、毎日続けることが重要なのに、英語初級者から脱せられない人は、勉強に間を置く人が多いそうです。
勉強に間を空けてしまうと、どんな良い教材を使ったとしても意味がありません。
英語は、継続的に続けること、接する時間を多くすることで身につけられると述べています。